
どんなゲーム機だった?
性能・スペック
製品名 | PlayStation Portable(プレイステーション ポータブル) | |
メーカー | (株)ソニー・コンピュータエンタテインメント | |
CPU | 製品名 | PSP CPU “ALLEGREX” (MIPS 32bit R4000コア×2) |
キャッシュ | 命令16KB / データ16KB | |
動作クロック | 1~333MHz | |
バス | 128bit | |
電圧 | 1.2V (333MHz動作時) | |
転送速度 | 2.6GB/sec | |
製造プロセス | 90nm | |
パイプライン | 7-stage | |
浮動小数点演算性能 | 2.6 Gflops | |
メインメモリ | メモリ | メインメモリ(CPUコア): 32MB DRAM サブメモリ(Media Engine): 2MB eDRAM ビデオメモリ(VRAM): 2MB eDRAM |
周波数 | 1~333MHz | |
バス | 128bit | |
転送速度 | 2.6GB/sec | |
グラフィック | グラフィックス コア | コア1: 3D Curved Surface + 3D Polygon コア2: Surface Engine [ジオメトリパイプ]+Rendering Engine [レンダリングパイプ] |
バス | 256bit | |
周波数 | 1~166MHz | |
帯域 | 5.3GB/sec | |
電圧 | 1.2V (166MHz動作時) | |
ビデオメモリ | 2MB eDRAM | |
表示色数 | RGBA各8bit | |
フィルレート | 664Mpixel/sec | |
ピクセル並列度 | 4 | |
ポリゴン演算能力 | 3300万ポリゴン/sec | |
機能 | Environment Mapping Projection Mapping Texture Mapping Bilinear & Trilinear Filtering MIP Mapping Shade Mapping Hardware Lighting Alpha Blending Depth Test Stencil Test Fogging Dithering 16/32bit pixel color |
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サウンド | サウンド | VME(Virtual Mobile Engine) |
周波数 | 166MHz | |
その他 | 7.1chサラウンドデコード / 3Dサウンド機能 | |
LCD | ディスプレイ | シャープ 4.3インチ 16:9ワイドスクリーンASV液晶 |
表示サイズ | 480×272 ピクセル | |
表示色数 | 1,677万色 | |
メディア | メディア | UMD(Universal Media Disc) |
容量 | 片面2層 1.8GB | |
転送速度 | 11Mbps | |
レーザー波長 | 660nm | |
対応プロファイル | PSP Game UMD Audio (プロファイル名 TBD) UMD Video (プロファイル名 TBD) |
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その他 | ワイヤレス通信 | IEEE802.11準拠プロトコル / 独自プロトコル |
外部記憶 | メモリースティックPro Duo | |
その他I/O | USB2.0 / IrDA | |
電源 | 内蔵リチウムイオンバッテリー / 外部ACアダプター | |
バッテリー | 3.6V 1,800mA/h(6,480mW/h) | |
対応コーデック | [Video] “UMD”:H.264/MPEG-4 AVC Main Profile Level3 “Memory Stick”:MPEG-4 SP,AAC [Music] “UMD”:linear PCM,ATRAC3plus? “Memory Stick”:ATRAC3plus?,MP3(MPEG1/2 Layer3) [Photo] JPEG(DCF2.0/Exif2.21準拠) |
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希望小売価格 | \19,800 (税込\20,790) | |
外形寸法 | 170×23×74(mm) | |
質量 | 280g (バッテリー含む) | |
発売日 | 2004年12月12日 |
スペック解説
CPU
32bitのMIPS R4000コアが2つ搭載されている独自のCPUを採用。デュアルプロセッサの枠に入るが、実際はデュアルではなくゲーム処理とメディア処理用に分かれて使用されている。
初期型(PSP-1000)では、クロックが222MHz(FSB111MHz)に制限されていることで問題になっていた。この初期90nmプロセス世代ではリーク電流増加が懸念され、電力消費が大きく連続使用が困難になる。このためダウンクロックにより暫定的な仕様となった。世間的にこの問題が明るみになった後、将来的に65nmプロセスへの移行で新型PSPではフルスペックが実現できると発表された。もし周波数問題が解決された本体が発売されても、クロック制御はソフトで行っているので問題ないとのこと。
■後藤弘茂のWeekly海外ニュース■今のPSPが2/3の性能しか発揮できていない理由
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0323/kaigai166.htm
追記
ファームウェア Ver3.50より333MHz動作が解禁された。どうやら消費電力以外にもデベロッパがまだ低消費電力指向でのプログラミングに慣れていないという懸念から、ソフトウェアレベルで最大222MHzに制限していたという理由もあるとのこと。このことから333MHz駆動時にはバッテリー持続時間が単純に2/3になるわけではなく、CPUの消費電力とソフトウェアレベルから1/2程度にまで短くなってしまいかねないことが推測できる。
グラフィック
PSPのジオメトリ演算器は、頂点データとして「32bit浮動小数点実数(FP32)」「16bit整数(INT16)」「8bit整数(INT8)」の3タイプの表現形式での演算が可能。また、メモリ帯域節約のために高次曲面も構成できる。
ピクセルレンダリングパイプラインはDirectX7相当で、OpenGLのαブレンディングもサポートしている。
サウンド
ステレオスピーカー&3Dサウンド機能によってかなり臨場感のあるサウンドとなっている。PSP-1000では本体下部にスピーカが配置されていたが、PSP-2000からは液晶ディスプレイの両隣に変更され音がダイレクトに聴こえるようになった。
ディスプレイ
シャープ製の480×272ドット(16:9)のバックライト搭載スクリーンを採用している。通常180カンデラ(バッテリー時)、最大200カンデラ(AC電源時)の輝度を持っている。
PSP-3000からは液晶パネルが変更され、さらに奇麗な表示が可能となった。SONYで液晶事業をやっているため、コストの面でもシャープ製ではなく自社製では?という噂があった。しかし、分解記事には液晶パネルの型番からシャープ製と推測されている。(※1)
※ポケットニュース: 新型PSP「PSP-3000」早速分解される
http://pocketnews.cocolog-nifty.com/pkns/2008/10/psppsp-3000-110.html
通信
IEEE802.11b/Wi-Fi準拠のワイヤレスLAN。チップはMarvell社製「88W8380」と「66W6010」を搭載している。
PSPの無線LANには2つのモードがある。
- 「アドホックモード」・・・ほかのPSPと通信するモード。遮りが少ない屋外なら約100m離れていても可能
- 「インフラストラクチャーモード」・・・自宅の無線LANや各地のアクセスポイントが利用できる
インフラストラクチャモードではインターネット接続ができるので、ネットワーク経由でファームウェアのアップデートも可能となっている。
メディア
UMDは大きさが60mm、容量が1.8GB(2層)で傷破損防止の独自カートリッジで覆われている独自メディアを採用している。以下の流れでヒットさせたかったのではないかと推測できる。
Mini Disc(MD)
ソニーとフィリップス社が開発したCD-ROM技術を使い、小型化した独自規格メディア。カセットテープの次の音楽記録媒体としてヒット。
Universal Media Disc(UMD)
ソニーとフィリップス社も参画したDVD技術を使い、小型化した独自規格メディア。PSPで採用。
この流れで次以降のメディアがあるとすれば、Blu-ray技術を使った小型メディアが登場することも想定できた。しかし、昨今のSDカードやUSBメモリ、SSDなどの高集積NANDメディアの低価格化と50MB/s以上の超高速転送速度、軽量・超小型、書込み可による外部メモリ不要等のメリットが相次いで際立ってきたため、次世代の携帯ゲーム機「PS Vita」や任天堂「Nintendo 3DS」ではフラッシュメモリが採用された。
性能面では、光学メディアだが小型で線速度が遅いため、従来の12cmDVDよりも読み取りに時間が掛かるデメリットがある。
DVDのようにUMDで映画や音楽などのコンテンツ提供をしているが、DVDと違ってリージョンによる規制はない。
電源・バッテリー
バッテリーは、他の製品と互換性のない独自形状のリチウムイオン2次電池で、電圧3.6V、容量は1,800mA/h。(後に大容量版2200mA/hバッテリーも発売された)
型番解説
PSP-1000 (2004.12.12発売)
「PS2を持ち歩く」とまで呼ばれるほど高性能な、ソニー初のポータブルゲーム機。
バッテリーパックは標準付属される。
しかしPS2の時と同様、初期モデルはさまざまな問題を抱えることに。
・CPU 公称333MHz:動作時222MHz クロックダウン問題
・□(四角)ボタン不良問題
・外部でファームウェア流出問題、改変ファームウェアによる使用不能状態
・PSPに感染するウイルス
[2004/12/12]
PSP-1000K 「バリューパック」 メモリースティックPRODuo(32MB)
ヘッドホン、ポーチ&ハンドストラップが付属。税抜24,800円
[2005/9/15]
PSP-1000KCW 「バリューパック セラミックホワイトバージョン」 □ボタン不良問題が改善
[2005/11/17]
PSP-1000G1(ブラック) PSP-1000G1KCW(セラミックホワイト) 「ギガパック」 税抜29,800円
ヘッドホン、ポーチはバリューパックと同様。さらにメモリースティックPRODuo(1GB)、
USBケーブル、クロス、UMD観賞用スタンドが付属している。
[2006/4/20]
PSP-1000CW セラミックホワイト単体版。ACアダプターとバッテリーパックが付属。
PSP-2000 (2007.9.20発売)
扱いやすさを重点に置き、本体重量が約189g(91g減)、厚みも18.6mmとなった。
別売りのワンセグチューナを接続することでテレビ視聴や録画(FW Ver3.80以降)が可能になるほか
アナログビデオアウトを設け、TVへの画面出力も可能となった。
カラーバリエーションは”ピアノ・ブラック”、“セラミック・ホワイト”、“アイス・シルバー”、”ブルーメ シリーズ”、
“ローズ・ピンク”、”フェリシア・ブルー”の6色。
その他細かい変更点は以下の通り
・メインメモリが2倍の64MBに変更(増加分はバッファに割り当て)
・スピーカの位置が本体下部から液晶の左右に変更(スピーカからダイレクトな音の実現のため)
・拡張コネクタの仕様変更に伴いコネクタ形状も変更(映像出力機能実現のため)
・UMDドライブの開閉が手動に変更
・UMDドライブスロットの開く角度が広くなった
・赤外線ポート廃止
・旧赤外線ポート位置にWiFiスイッチを移動
・消費電力低下
・バッテリーパック容量減少(1800mAh→1200mAh)したが駆動時間はPSP-1000と同じ
[2007/12/13]
“Deep Red” バリューパック(税込22,800円)
本体(PSP-2000 DR)にポーチ、ストラップ、クロス、メモリースティックDuo 32MBが付属
“Deep Red” ワンセグパック(税込29,800円)
本体にワンセグチューナー、ポーチ、ストラップ、クロス、メモリースティック PRO Duo 1GB、スタンドが付属
[2007/12/27]
スターオーシャン1 First Departure -Eternal edition-(税込24,840円)
本体(PSP-2000 FB)にUMDソフト「スターオーシャン1 First Departure」、ポーチが付属
[2008/2/7]
プレイステーション・ポータブル ギレンの野望・スペシャルパック(税込25,890円)
本体(オリジナルデザイン)にUMDソフト「機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威」、
ジオン十字勲章ストラップが同梱
[2008/2/28]
新カラー「ミント・グリーン(PSP-2000 MG)」発売
[2008/3/27]
モンスターハンターポータブル2ndG ハンターズパックG(税込25,800円)
本体(マッドブロンズ調のオリジナルカラー)にUMDソフト「モンスターハンターポータブル2ndG」、
オトモポーチ(大),(小) が付属
[2008/4/24]
プレイステーション・ポータブル “マット・ブロンズ” バリューパック(税込23,800円)
本体(PSP-2000 MN)にポーチ、ストラップ、クロス、メモリースティックDuo 32MB、D端子ケーブルが付属
[2008/7/17]
プレイステーション・ポータブル “Metallic Blue” バリューパック(税込22,800円)
本体(メタリックブルー)にポーチ、ストラップ、クロス、メモリースティックDuo 32MBが付属
プレイステーション・ポータブル “Metallic Blue” ワンセグパック(税込29,800円)
本体にワンセグチューナー、ポーチ、ストラップ、クロス、メモリースティック PRO Duo 1GB、スタンドが付属
PSP-3000 (2008.10.16発売)
液晶画面を強化し、携帯機器では最高クラスのコントラスト、応答速度、広色域を実現したとしている。
従来モデルの以上に自然で色鮮やかな映像が楽しめるほか、反射低減も強化されて
明るい場所でも画面が見やすく、屋外などで遊びやすくなった。
変更点は以下の通り
・高画質液晶採用(コントラスト比:2000の約5倍、応答速度:2000の約2倍)
・本体左右に丸みを帯びさせ、持ちやすさの向上
・PS3との連動のため、HOMEボタンをPSボタンに変更
・画面下部のボタンの形状を半円形から楕円形に変更
・本体下部のPSPマークの左隣にマイクが搭載
・ロゴのデザイン・位置を変更
・アナログテレビ(インタレース)へのゲーム画面出力に対応
・設定の「外部ディスプレイ出力」に「ちらつき低減」の項目を追加
カラーバリエーションは「ピアノ・ブラック」「セラミック・ホワイト」「ミスティック・シルバー」の3種。