PlayStation の凄いスペックまとめ

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どんなゲーム機?

SonyのPlayStation(通称: PS、PS1)は、1994年12月3日に日本で発売され、のち世界で発売されました。Sonyが初めて開発したゲーム機で、CD-ROMメディアの普及と高度な3Dグラフィックスを駆使したゲームデザインの採用により、この時のゲーム業界に大きな影響を与えました。

PlayStationの登場でゲーム業界における競争環境が一変し、多くのゲームデベロッパーがどの機種に関与するかで大きく影響する時代で、セガサターンとNINTENDO64と共に次世代機戦争と呼ばれる激しい競争が繰り広げられました。SONYのポジションとして、ゲーム機開発としては大ベテランだった任天堂とセガに対して真正面の戦争を吹っ掛けた形でした。

PlayStationの最大の特徴の一つは、その強力なハードウェア性能です。32ビットのRISCプロセッサを中心とした高性能なCPU、2Dと3Dグラフィックスを同時に処理できるGPU、さらに大容量のRAMとCD-ROMドライブを搭載しており、その時代の他のゲーム機と比較しても圧倒的なパフォーマンスを誇っていました。これにより、従来のゲーム機では困難だったリアルタイム3DレンダリングやCDクオリティのサウンド再生が可能となり、ゲームの表現力を大幅に拡張しました。

ゲーム機のCD-ROM採用はPCエンジンのCD-ROM2、セガのメガCDに続くものでしたが、実態としてはBGM用の音楽CDと多少のデータとして格納されることが多かったのに対し、PlayStationでは音楽もエンコードしてデータを縮小しゲーム全体のデータを格納するメディアとして利用されることが主流となり、ゲーム機CD-ROMのデファクトスタンダードになりました。 CD-ROM自体も従来のROMカートリッジに比べてめちゃくちゃ安くしかも大容量であり、コストを大幅に削減することができました。

この大容量を各ゲームメーカーが利用し始め、従来のゲーム機では不可能だったフルモーションビデオ(FMV)の再生や、高品質なサウンドトラックとして活用が始まり、ゲームはただの遊びから芸術的な表現の一形態へと昇華し始めました。この辺りはコナミが特に積極的で「ビートマニア」「Dance Dance Revolution」等の音楽ゲームが確立した時でした。

PlayStationは、その強力なハードウェアと高度なゲーム表現力により、多くのゲーム会社から高い評価を受け、続々と参入しました。特に、スクウェア・エニックス、カプコン、コナミ、ナムコなど、多くの日本のゲームメーカーがPlayStationをプラットフォームとして採用し、「ドラゴンクエストVII」、「ファイナルファンタジーVII/VIII/IX」、「メタルギアソリッド」、「バイオハザード2/3」など、今日でも名作と称される作品が数多く含まれています。

PlayStationの発売前は、日本のゲーム市場は主に任天堂とセガによって完全に二分されていました。しかし、PlayStationの登場により、ゲーム業界の勢力図は大きく変わりました。その高性能なハードウェアとソフトウェアの豊富さにより、PlayStationは急速に市場を獲得しシェア1位となり、最終的には世界で1億台以上を販売する大ヒット商品となりました。

PlayStationの発売当時のPCと比較しても、そのハードウェア性能は非常に高く、特に3Dグラフィックスの描画能力は、当時の主流だったPCのグラフィックスカードと比較しても優れており、多くのPCゲームがPlayStationに移植されました。昔のよくある流れとしてアーケードゲームをゲーム機に移植する時は大きく劣化しているか、NEOGEOにそのまま移植されるかがほとんどでした。このPlayStationもそのまま移植できるスペックを持っており、アーケードゲーム市場すらも動かしました。

また、PlayStationはその手軽さと使いやすさにより、ゲームを楽しむための新たなプラットフォームとして多くのユーザーに受け入れられました。特に、ゲームディスクの交換が容易で、ゲームのインストールや設定が不要な点は、PCゲームに比べて大きな利点でした。(配信が当たり前の今となっては入れ替えるの面倒と思ったりもしますが) また、専用のゲームコントローラを採用したことで、直感的な操作感を提供し、ユーザーのゲーム体験を一層深めました。

現代においても、PlayStationはその革新的な技術と多様なゲーム表現力により、ゲーム業界の歴史に大きな足跡を残しています。その後継機のPlayStation 2、PlayStation 3、PlayStation 4、そしてPlayStation 5になっていても常に最新の技術を取り入れてゲームの可能性を広げ続けています。

仕様・スペック

プレイステーションは以下のスペックを持っていました。CPUは32ビットRISCプロセッサ「MIPS R3000A」を採用、クロック周波数は33.8688MHzでした。メモリは2MBのメインRAMと1MBのVRAMを搭載。グラフィックスは3Dポリゴンレンダリングを特徴とし、最大360,000ポリゴン/秒の描画能力を誇っていました。CD-ROMを採用し、ストレージ容量としては大きな進歩となりました。

PlayStation(プレイステーション)
製品名PlayStation(プレイステーション)
メーカーSONY
CPU製品名R3000カスタム 32bitRISC
キャッシュ1次キャッシュ データ64KB/命令64KB
2次キャッシュ –
動作クロック33.8688MHz
コプロセッサGTE(ジオメトリエンジン)
演算能力:最大150万 ポリゴン/秒
可変長固定小数点演算
メインメモリメインメモリ2MB
ビデオメモリ(VRAM)1MB
グラフィック解像度256ドット×224ライン(ノンインターレース )

640ドット×480ライン(インターレース)
ポリゴン36万ポリゴン/秒
サウンドサウンドSPU 16bit PCM
サンプリング周波数44.1kHz
同時発音数24ch
メモリ512KB
CD-ROMドライブ倍速CD-ROMドライブ(2倍速)
対応規格PlayStation規格 CD-ROM
CD-XA
CD-DA
その他メモリーカード1Mbit(1ブロック:8KB 計16ブロック)
15ブロック:データ/1ブロック:管理 に使用
外部コネクタコントローラ *2
メモリーカード *2
AVマルチ端子
映像・音声端子(RCA)
通信(シリアル)
外部拡張(パラレル)
メディア最大700MB(CD-ROM mode2)
消費電力

スペック解説

CPU

当時としては非常に高性能な32ビットRISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサ「MIPS R3000」を独自改良した「MIPS R3000A」を採用していました。このCPUのクロック周波数は33.8688MHzで、RISCアーキテクチャにより高速な命令処理が可能となっていました。

これは当時のPCの主流スペックと比較しても非常に高速で、コプロセッサ2つ(COP0/COP2)追加して改良しゲーム専用のチップとして設計されていたため、ゲームの演算処理においては高いパフォーマンスを発揮しました。

RISC(Reduced Instruction Set Computer)は、豊富にいっぱい命令を持つ今までのCPU(CISC)とは真逆の、固定長の単純な命令だけを持つCPUのことで、命令セットをシンプルに保つことで1クロックあたりの高速化を図るというものです。これにより、消費電力が低いにも関わらずゲームの演算処理においては高いパフォーマンスになります。現代においてもスマートフォンのCPUにはRISCアーキテクチャが採用されています。(iPhoneもAndroidもARMコアがベース)

かといってRISC最強かというとそうでもなくて、もっとパフォーマンスが必要なデスクトップやサーバ向けは対応命令セットを持っているととんでもない負荷がかかる処理を高速化できるので、IntelのCoreやAMDのRyzenなどはCISC(Complex Instruction Set Computer)が採用されています。「消費電力コスパの良いRISC」、「断然パフォが良いCISC」という感じです。

またこのCPUは、RISCと言いながら必要なマルチメディア命令の拡張も持っていました。これにより、音声や動画などのマルチメディアデータを高速に処理することが可能となり、これによりCDクオリティのサウンド再生やフルモーションビデオの再生を実現しました。

追加されたコプロセッサ2つの詳細は以下の通り。

システム制御コプロセッサ(COP0)

システム制御コプロセッサは、メモリ管理、割り込み、およびハードウェアブレークポイントを処理する。これが代わりに管理することでメインプロセッサがゲームロジックに集中できる。

ジオメトリ変換エンジン (COP2)

ジオメトリ変換エンジン (GTE) は、特に高速な数学演算を実行するように設計されており、これが代わりに膨大な計算をすることで、3Dモデルや、アニメーション、エフェクトなどのジオメトリを高速に処理できるようになった。

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 CPU のここが凄い!

ワークステーションレベルのCPUを搭載してきて本気で他社を潰そうとしていたところ!

PlayStationのCPUは、その当時としては非常に高性能な32ビットRISCプロセッサであり、その強力な3D計算能力とマルチメディア処理能力は他の追随を許しませんでした。

グラフィック

PlayStationのグラフィックス処理は、強力なGPU(Graphics Processing Unit)とGTE(Geometry Transformation Engine)で構成されています。これらのチップは、独立したハードウェアとして機能し、CPUが他のタスクに集中できるように設計されていました。

プレイステーションのグラフィック性能としては最大360,000ポリゴン/秒の描画能力を誇っていました。これにより、リアルタイムの3D描画が可能になりゲームの表現力が大幅に引き上がりました。

グラフィックの構成は以下の通り。

GTE(Geometry Transformation Engine)

3D変換処理を行う専用のハードウェア。GTEは上のCPUの中に内蔵されているコプロセッサ。

このGTEは、3D座標の変換やライティング、Zバッファの計算などを高速に行うことが可能でした。

MDEC(Motion Decompression Engine)

動画デコードを行う専用のハードウェア。このMDECは、MPEG-1形式の動画データをデコードすることが可能でした。

このGPUと専用のVRAMの組み合わせにより、PlayStationはフルカラー(1677万色)のリアルタイム3D描画を行うことができました。これにより、従来の2Dゲームに比べて遥かにリアルなゲーム表現が可能となりました。

 グラフィックのここが凄い!

GPUとGTEの強力なタッグで当時のゲーム機の中でも最高クラスのグラフィックス性能だったところ!

重い計算はCPUのコプロセッサに任せて、GPUは描画に集中することプレイステーションのグラフィック能力はさらに上がり、当時としては画期的な3D描画能力を持っていたため、よりリアルなゲーム体験となりました。

メモリ

PlayStationのメモリは、RAMとVRAMの2つで構成され、容量はメインRAMは2MB、VRAMは1MBでした。

RAMはゲームの実行に使用され、プログラムコードや一時的なデータを保持します。また、CPUと直接通信し高速なデータ転送する他に、CPUを介さず転送するDMAも使用できました。

一方、VRAMはグラフィックス描画に特化しており、テクスチャデータやフレームバッファなど、グラフィックに関連するデータを保持します。GPUはVRAMから直接データを読み取りそれを画面に描画していました。

そのため、RAMの容量と速度は、ゲームのパフォーマンスに直接影響がありました。メインRAMは2MB、VRAMは1MBという容量は豊富な量に見えて全然足らず、どうにかして工面して使用し製作側は相当苦労していたようです。

 メモリのここが凄い!

メインRAMは2MB、VRAMは1MBと専用に確保されていた高速メモリだったところ!

ゲームの快適な動作を実現するため高速なメモリが搭載されていました。容量も必要最低限でしたがさまざまな工夫により、ゲームの高速な動作を実現していました。

通信

初代のPlayStationのリリースされた頃は本当に限られた人がダイアルアップの電話線でネットに繋いでいた時代で、流石にオンラインゲームプレイはまだ主流ではありませんでした。

それでも通信機能に関してシリアルI/OポートとパラレルI/Oポートが搭載されており、これらを通じて他のPlayStationと直接通信が可能でした。

シリアルI/Oポートは主にゲームのマルチプレイに使用され、ゲーム機間のリンクケーブル「対戦ケーブル(型番SCPH-1040)」を通じて2つのPlayStationを直接接続することで、一部のゲームはこの機能を利用して2人での対戦プレイや協力プレイできました。(ただしテレビも2台必要)

一方、パラレルI/Oポートは主に外部デバイスとの接続に使用される予定だったようですが周辺機器が発売されずに、後期モデルではパラレルI/Oポート自体がなくなりました。

 通信のここが凄い!

ゲームボーイみたいに本体同士をつなぐ構成が当時としては画期的だったところ!

通信対戦はまだ主流ではなかったものの、ゲームボーイのように本体同士をつなぐ構成は当時としては画期的でした。対戦プレイや協力プレイが可能になり、ゲームの楽しみ方が広がりました。

メディア

プレイステーションは、ゲームメディアとしてCD-ROMを採用しました。これにより、大量のゲームデータを1枚のディスクに収めることが可能になり、それまでのカートリッジ式よりも大幅にデータ容量を増やすことができました。

CD-ROMをメインのゲームメディアとして採用しました。これは、当時の他の多くのゲーム機が読み込みの遅さを懸念してカートリッジを使用していた中で、スピードを犠牲にしてでも大容量のデータを格安で提供するという選択でした。CD-ROMの容量は約650MBもあるので、これにより高解像度のグラフィックや長時間のオーディオファイル、そして大量のゲームデータを提供することが可能となりました。この選択は、ゲームの品質と多様性を大幅に向上させることに繋がりました。

また、CD-ROMは読み取り専用メディアであるため、データの改ざんやコピーが困難でした。CD-Rが出るまでの間に限られますが、ゲームの海賊版の問題をある程度抑制することができました。

さらに、PlayStationのCD-ROMドライブは2倍速で、当時としては速い読み取り速度ですが、十分に早いかというとそうでもありません。(1倍速はCDを全部読み込むのに約74分掛かる。2倍速はその半分の時間なので約36分で読み込み終わる程度の速さ)

細かい話をすると、採用規格は「CD-ROM mode2」なので規格上700MB格納でき大容量である反面、傷に弱いので丁寧に扱う必要があるので注意。

初期の頃はナムコの「リッジレーサー」でソフトの読み込みがどうしても遅かったので、起動直後ギャラクシアンが始まり遊んでいる間に読み込んでいるという斬新な仕様になっていました。これはゲームのロード時間を隠すための工夫で、ゲームのロード時間を隠すためにゲームの何かを流すというのは今でもよくある手法です。

 メディアのここが凄い!

CD-ROM採用で大容量を実現し、より大規模で高品質なゲームを提供することが可能になったところ!

CD-ROMは大容量のデータを格安で提供できるメディアであり、これにより高解像度のグラフィック、長時間のオーディオ、そして大量のゲームデータを提供することが可能となりました。コンテンツ側の幅を広げてシェアを拡大しようとしたことが伺えます。

ストレージ

ストレージとしてはメモリーカードを採用。このメモリーカードによりゲームのセーブデータを保存でき、ゲーム進行状況を友達の家にも持ち運ぶことができました。

初代PlayStationのストレージは、内部にフラッシュメモリを内蔵したメモリーカードが全てでした。セーブデータやユーザー設定などのデータを保存するためのこのメモリーカードは、ブロック構造で1MBの容量を持っていました。(15ブロック)

PlayStationのメモリーカードは、一部のゲームでは一つのゲームセーブに複数のブロックを必要とすることもあり、大規模なRPGなどではゲームセーブのスペースに制約があったり、シミュレーションゲームでは15ブロック全部使うこともありましたが、それでもユーザーは独自のセーブデータ管理が可能でした。ゲームごとに異なるメモリーカードを用意するか、またはゲームの進行状況を管理するためにメモリーカードのブロックを振り分けることができました。

 ストレージのここが凄い!

セーブデータの持ち運びが簡単になったのがすごいところ!

セガサターンもパワーメモリーがありましたが、価格が高かったり接触次第ではデータが全滅したりポジション的には外付けHDDのようなイメージでした。気軽に持ち運べて消えないプレイステーションのメモリーカードで初めて、安心していつでもどこでもゲームを続けることが可能になりました。

この記事を書いた人

モバイルアプリエンジニアで法人の代表取締役です。
培った知識からいろいろなことについて技術的側面をわかりやすく解説しています。パソコンが苦手な人にも魅力が伝わってほしく、参考になればとの想いで当ブログを始めました。

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